1st Ticket

Not for theatergoers

2018まとめ

今年は、なんといっても
運転免許をとりましたー!!
 
1月から通って、2・3月は予約が取れず、4月からまた通って、
2回仮免許に落ち、泣きながら7月に受かりました。まさかの半年がかりです。
 
しかし学生の時はお金惜しさに諦め、その後は時間惜しさに諦めていたものを、
今このタイミングでなければ取ろうと思わなかったし取れなかったでしょう。
われながら人生最大レベルの偉業達成でした。
 
 
あと、山に登るようになりました。

f:id:FirstTicket:20181231114323j:plain

燕岳

f:id:FirstTicket:20181231114439j:plain

蔵王・お釜

昔から高いところが好きですが、

ちゃんと調べて道具を揃えたり、いっぽうで遭難しかけたり(!)するうちに、
「必要なものだけ選ぶ」「持てるものだけ持つ」「でも抜かりなく揃えておく」という、ミニマルな生き方の本質のようなものを学べた気がします。
来年こそは富士山へ!
 
 
あと・・・カクレクマノミを飼い始めました。可愛いです。

f:id:FirstTicket:20181231114907j:plain

カクレクマノミ、オオウミキノコ、ハナビラダカラガイ
魚は声や表情がないのでコミュニケーションは難しいですが、体調変化には気づいてあげなければいけません。
アクアリウムは小さい海を人工的につくるということで、管理に気をつかいます。水温が1度変わると人間における気温10度の変化に等しいとか。
いっぽうで、見たこともない生き物が突如出現したりいなくなったり(※ライブロックという自然から採取した岩に住んでいる)やはり人の力で自然はコントロールできるものではないなあ、だからこそ魅力的だなあと思います。
 
 
ということで「車」「山」「海」と趣味フィールドの拡大がいちぢるしい一年でしたが・・・観劇なども合計41本。
昨年の倍に増えており、ただこれは10月のKYOTO EXPERIMENTを目当てとした「3連休8観劇」の無茶が効いています。あと八代目市川染五郎にはまり、追っかけぎみでした。
 
近い将来、大阪拠点で劇場に関わる仕事をすることになりそうで、
引き続き演劇との関わり方についてはムニャムニャしながら変化していくことになると思いますが、
ともかく「舞台の見方」は、2019年こそまとめます。
さらなるフィールドの拡大、出会い、そのときにシンプルに差し出せるプロフィールページとするべく、引き続き(遅筆ながらも)1st  Ticket運営していきたいと思います。

観劇リスト2018

【観てきた一覧】

[41] カタルシツ演芸会「CO.JP」 @六本木スーパー・デラックス

[40] シス・カンパニー「日本の歴史」 @世田谷パブリックシアター

[39] 新国立劇場「スカイライト」 @新国立劇場・小劇場

[38] iaku「逢いにいくの、雨だけど」 @三鷹市芸術文化センター・星のホール

[37] 「光より前に~夜明けの走者たち~」 @紀伊國屋ホール

[36] 四獣×玉造小劇店「ワンダーガーデン」 @シアター711

[35] 「No.9 -不滅の旋律-」 @TBS赤坂ACTシアター

[34] NODA・MAP「贋作 桜の森の満開の下」 @大阪新歌舞伎座

[33] KAAT神奈川芸術劇場プロデュース「華氏451度」 @KAAT神奈川芸術劇場・ホール

[32] ロベルタ・リマ「水の象(かたち)」 @京都芸術センター・講堂

[31] ジョン・グムヒョン「リハビリ トレーニング」 @ロームシアター京都・ノースホール

[30] 「ギア-GEAR-」 @ギア専用劇場(ART COMPLEX 1928)

[29] 空宙空地「轟音、つぶやくよう うたう、うたう彼女は」 @in→dependent theatre 2nd

[28] The Stone Age ヘンドリックス「お前とお前は帰ってよし」 @TORII HALL

[27] 「道頓堀Gotta」 @道頓堀ZAZA

[26] むー「帰ってきた一品劇場」 @喫茶フィガロ

[25] Nibroll×近畿大学文芸学部芸術学科舞台芸術専攻「Imagination Record」 @近畿大学・11月ホール

[24] 劇団☆新感線「メタルマクベス disc2」 @IHIシアターアラウンド東京

[23] グループる・ばる「蜜柑とユウウツ~茨城のり子異聞~」 @東京芸術劇場・シアターイース

[22] ヨーロッパ企画サマータイムマシン・ワンスモア」 @本多劇場

[21] 「八月納涼歌舞伎『東海道中膝栗毛』」 @歌舞伎座

[20] 早稲田大学演劇博物館「三代襲名スペシャトークショー「待ってました、高麗屋!」」 @早稲田大学・大隈講堂

[19] DULL-COLORED POP「1961年:夜に昇る太陽」 @こまばアゴラ劇場

[18] ホリプロレインマン」 @新国立劇場・中劇場

[17] 劇団ドクトペッパズ「Who゜? [プー]」 @若葉町WHARF

[16] 劇団壱劇屋「独鬼~hitorioni~」 @シアターグリーン・BOX in BOX THEATER

[15] 青年団日本文学盛衰史」 @吉祥寺シアター

[14] 子供鉅人「真夜中の虹」 @下北沢駅前劇場

[13] 庭劇団ペニノ「蛸入道 忘却ノ儀」 @森下スタジオA・C

[12] 劇団☆新感線「修羅天魔~髑髏城の七人 Season極」 @IHIステージアラウンド東京

[11] 早稲田大学演劇博物館「染五郎13歳、『ハムレット』を読む」 @早稲田大学・大隈講堂

[10] 「團菊祭五月大歌舞伎」 @歌舞伎座

[9] PARCO「ハングマン」 @世田谷パブリックシアター

[8] ふじのくに⇔せかい演劇祭「ジャック・チャールズVS王冠」 @静岡芸術劇場

[7] mizhen「溶けない世界と」 @日暮里d-倉庫

[6] 熊川哲也 K バレエカンパニー「白鳥の湖」 @Bunkamuraオーチャードホール

[5] コンドルズ「ダブルファンタジー」 @あうるすぽっと

[4] PARCO「江戸は燃えているか」 @新橋演舞場

[3] ホリプロ「密やかな結晶」 @東京芸術劇場・プレイハウス

[2] 「池袋ウエストゲートパーク SONG&DANCE」 @東京芸術劇場・シアターウエス

[1] 「壽初春大歌舞伎」 @歌舞伎座

新国立劇場「スカイライト」/弱者のための武器

ロンドンver.の上映(NTLive)をすでに見ていたし、
凄くよかったけど今回はやめとこうかなと思っていた、

ところがタイミングよくというか、
転職して教師になった友人から
「ちょっと行き詰っているから何か芝居にでも連れていって」という連絡があり。
だったらこの作品しかなかろう、と一緒に観ることにした。


そしてやっぱりエキサイティングだったし、
彼女とこの作品を共有できてよかったなと思う。


教育・福祉系の人には特にオススメしたい作品だ。
濃厚な恋愛劇でもあるけど、私にとっては「弱者が世界と戦う」ための武器となる戯曲と思う。

 

「人生というチップを賭ける必要がある。
 それができないのなら、だまってろ」

の台詞が最高にしびれる。

iaku「逢いにいくの、雨だけど」/ごめん、は自分への許しにもなる

シリアスだが、やさしいドラマだった。

子ども同士の事故の話、ということで「加害者もしんどい」「親もしんどい」くらいの予想はしてたのだけど。

親子だけでなく、
夫婦、
義理の兄妹、
男女の親友、
最近出会ったけど義眼の同志(?)など…
さまざまな関係=絆が、同時多発的に、強くなったりもろくなったりするさま。
フクザツなのに、軽やかで、面白かった。

いやもちろん人間、どうにも戻れないくらい爆発しちゃうことはありうる。でも人生はエンターテインメントじゃない。必ず生活がある。

それが皮肉っぽくなく、優しく受け入れられるような世界観だった。

 

あと、自分、ここは「ごめんね」と言うべきか?「ありがとう」なのか?と迷う場面では圧倒的に「ありがとう」を選ぶ。
それは「ごめん」が苦手なんである。許しを乞うようで。

でもだから言いそびれた「ごめん」がけっこうあって、その分、相手だけでなく、自分でも許しそびれてることがあるなぁと。そんなことを思った。

庭劇団ペニノ「蛸入道 忘却ノ儀」/超常、原始、忘我の悦び

 

あ~失敗した!誰か連れてくるべきだった!
わけわかんないまま観て「わけわかんなかったけど凄かった」って言わせられる貴重な作品。

 

儀式はフェス。舞台美術が劇場で、お堂と役者がまるごとでっかい楽器でその中に自分がいる。
開演前タニノさんの「人間が進化して、くっついて、脳が9つある蛸になる」って話が全てで、わけわかんないんだけどまさにそれで、なんか90分かけて自分も1000分の1くらい蛸にされてしまった気がする。蛸なのかも、蛸なんじゃないかすでに。

 

前作の「地獄谷温泉 無明ノ宿」では舞台がぐるっとまわったら露天風呂になってて度肝を抜かれた。
しかしまた、演劇でつくれる時空の常識を拡大してる…。どんな過程でつくったのか?知りたいけど恐ろしいな。

 

「温泉」と共通して感じるのは、
「見てはいけないもの・語ってはいけないもの」を360度からどうぞご覧くださいと差し出されているような。抗えない恐いもの見たさ。
殺人や濡れ場のようにドラマでいじる隙間もない。
ヒトの原始的な性というか。だからエロじゃない。裸に剥いてるんじゃなくて、薄皮いちまい剥いじゃってる。さりげなく生々しく超常。
夢に見ちゃうやつ…。

次は観劇初心者と来てみよう、ペニノ。