ダイアログ・イン・ザ・ダーク・アット・ホーム
初めて参加したこちら。
日帰りの大阪出張で、お芝居ソワレを見るには終電が早く
最後の17時の回に申し込んで参加した。
すると、一人だった!
不安だったらスタッフも入れますよ、と言われたが
せっかくなので独り占めさせていただこうと単身参加。
まず前室のようなところで、全盲の「アテンド」さんと出会い、説明を受ける。
触ることや声のコミュニケーションを意識的にしてみてください、など。
そして暗闇に突入。
まずは家の外のレンガ道を歩く。杖でかろうじてレンガの溝を感じる。
そして、家に入ると家族が待ってます、僕も家族ですと。
父母兄妹はなぞだが、アテンドさんと私は家族、という設定。
ここまで案内してくれたアテンドはヒデさん、家で待っているアテンドはけいちゃん。
家に帰ると、けいちゃんが温かく迎えてくれる。
和室にあがって、まったり。障子を開けると、かなり広い庭がある。芝生をなでる。
お正月の話をしあったり。おみくじを引いたり。(大吉・笑う闇には福来る、とのこと)
温かい甘酒をごちそうになったり。
もちろん全て見えない。が恐怖はない。私はそのまま寝そうなくらいリラックスしている。
そしてメインイベントの書初め。
私が庭をうろうろしている間にけいちゃんが墨までセッティングしてくれていた。
「わ」と書く。書いたつもり。笑いの輪のわ。
終わって、前室でけいちゃんの姿を初めて見る。イメージ通り。
書初めも案外うまく書けていた。
ヒデさんのしてくれた動物園の話がおもしろかった。
パンダが見えるわけではないが、周りが「笹食べてる」「転んだ!」「落ちた!」と実況するので、パンダが何をしているかはよくわかるんだそうだ。だから動物園も水族館も楽しいと。
暗闇を体験するのはもちろんだが、家族を演じることが楽しく、
自分の家以上に、ホームな感覚があった。
何も知らない関係だからこそ、気を許せる瞬間ってある。
【舞台の見方】#2 「舞台」にはどんなものがあるか(ジャンル)
舞台を見てみよう、と思ったとする。
それは、例えばどんな作品でしょうか?
初めて見る舞台が劇団四季だった人もいれば、
友達が出ている100席未満の小劇場演劇だった人もいるだろう。
舞台はあまりにも種類が多く、一言で括るには混沌としている。
「舞台」「芝居」「演劇」…混ぜて使いがちだが、
一番広義なのが「舞台(≒舞台芸術)」だとして。
以下のものは、すべて含まれうると考える。
●演劇(ストレートプレイ)
●ミュージカル
●ダンス
●オペラ
●伝統芸能(歌舞伎、能、狂言、落語…)
●お笑い
●ほかパフォーマンス(朗読・リーディング、人形劇、ジャグリングやアクロバット…)
この中でも特に多種多様なのが「演劇」「ミュージカル」「ダンス」で
しかもそれぞれの出演者やスタッフは横断して創作することもしばしばで、
「台詞」「歌」「ダンス」の混ぜ具合、割合すらマチマチ、
ダンスシーンを挟む演劇もあれば、しゃべるダンスもある。
「音楽劇」と名乗っている作品でも、歌のシーンはごくわずかということもある。
ジャンル横断が進む昨今、ますます明確な定義はなく、追求する意味もあまりない。
例えばミュージカル劇団として有名なのは「宝塚歌劇団」「劇団四季」
さらに「レ・ミゼラブル」など長寿作品をプロデュースする東宝がある。
しかし小劇場で活躍する劇団「FUKAI PRODUCE」が標榜するのは「妙ージカル」、
劇団「ままごと」の代表作「わが星」は4拍子のリズムが核であり演技と音楽が融合している。
ラーメンズ・小林賢太郎の作品はコントであり短編演劇とも見える。
歌舞伎役者と演劇の俳優が共演し、演劇の演出家がつくる「コクーン歌舞伎」「いのうえ歌舞伎」、さらに「2.5次元歌舞伎」も出てきたから、もう既存の枠組みはどんどん更新されていくのだ。
さながら「イタリアン×中華」すらありうる料理のよう。
「創作和食」と名乗る料理のバラエティをイメージしてもらえば、
「演劇」と名乗る作品の多種多様さがそれに近いだろう。
2018まとめ
昔から高いところが好きですが、
観劇リスト2018
【観てきた一覧】
[41] カタルシツ演芸会「CO.JP」 @六本木スーパー・デラックス
[40] シス・カンパニー「日本の歴史」 @世田谷パブリックシアター
[38] iaku「逢いにいくの、雨だけど」 @三鷹市芸術文化センター・星のホール
[37] 「光より前に~夜明けの走者たち~」 @紀伊國屋ホール
[36] 四獣×玉造小劇店「ワンダーガーデン」 @シアター711
[35] 「No.9 -不滅の旋律-」 @TBS赤坂ACTシアター
[34] NODA・MAP「贋作 桜の森の満開の下」 @大阪新歌舞伎座
[33] KAAT神奈川芸術劇場プロデュース「華氏451度」 @KAAT神奈川芸術劇場・ホール
[32] ロベルタ・リマ「水の象(かたち)」 @京都芸術センター・講堂
[31] ジョン・グムヒョン「リハビリ トレーニング」 @ロームシアター京都・ノースホール
[30] 「ギア-GEAR-」 @ギア専用劇場(ART COMPLEX 1928)
[29] 空宙空地「轟音、つぶやくよう うたう、うたう彼女は」 @in→dependent theatre 2nd
[28] The Stone Age ヘンドリックス「お前とお前は帰ってよし」 @TORII HALL
[27] 「道頓堀Gotta」 @道頓堀ZAZA
[26] むー「帰ってきた一品劇場」 @喫茶フィガロ
[25] Nibroll×近畿大学文芸学部芸術学科舞台芸術専攻「Imagination Record」 @近畿大学・11月ホール
[24] 劇団☆新感線「メタルマクベス disc2」 @IHIシアターアラウンド東京
[23] グループる・ばる「蜜柑とユウウツ~茨城のり子異聞~」 @東京芸術劇場・シアターイースト
[22] ヨーロッパ企画「サマータイムマシン・ワンスモア」 @本多劇場
[20] 早稲田大学演劇博物館「三代襲名スペシャルトークショー「待ってました、高麗屋!」」 @早稲田大学・大隈講堂
[19] DULL-COLORED POP「1961年:夜に昇る太陽」 @こまばアゴラ劇場
[17] 劇団ドクトペッパズ「Who゜? [プー]」 @若葉町WHARF
[16] 劇団壱劇屋「独鬼~hitorioni~」 @シアターグリーン・BOX in BOX THEATER
[14] 子供鉅人「真夜中の虹」 @下北沢駅前劇場
[13] 庭劇団ペニノ「蛸入道 忘却ノ儀」 @森下スタジオA・C
[12] 劇団☆新感線「修羅天魔~髑髏城の七人 Season極」 @IHIステージアラウンド東京
[11] 早稲田大学演劇博物館「染五郎13歳、『ハムレット』を読む」 @早稲田大学・大隈講堂
[10] 「團菊祭五月大歌舞伎」 @歌舞伎座
[9] PARCO「ハングマン」 @世田谷パブリックシアター
[8] ふじのくに⇔せかい演劇祭「ジャック・チャールズVS王冠」 @静岡芸術劇場
[7] mizhen「溶けない世界と」 @日暮里d-倉庫
[6] 熊川哲也 K バレエカンパニー「白鳥の湖」 @Bunkamura・オーチャードホール
[4] PARCO「江戸は燃えているか」 @新橋演舞場
[3] ホリプロ「密やかな結晶」 @東京芸術劇場・プレイハウス
[2] 「池袋ウエストゲートパーク SONG&DANCE」 @東京芸術劇場・シアターウエスト
[1] 「壽初春大歌舞伎」 @歌舞伎座
新国立劇場「スカイライト」/弱者のための武器
ロンドンver.の上映(NTLive)をすでに見ていたし、
凄くよかったけど今回はやめとこうかなと思っていた、
ところがタイミングよくというか、
転職して教師になった友人から
「ちょっと行き詰っているから何か芝居にでも連れていって」という連絡があり。
だったらこの作品しかなかろう、と一緒に観ることにした。
そしてやっぱりエキサイティングだったし、
彼女とこの作品を共有できてよかったなと思う。
教育・福祉系の人には特にオススメしたい作品だ。
濃厚な恋愛劇でもあるけど、私にとっては「弱者が世界と戦う」ための武器となる戯曲と思う。
「人生というチップを賭ける必要がある。
それができないのなら、だまってろ」
の台詞が最高にしびれる。