観劇リスト2019&まとめ
12月の「歌舞伎ナウシカ」「刀剣乱舞」「高校演劇サミット」というラインナップが自分の雑食ぶりをあらわしていて良き。
世界は一人、OIBOKKESHI、ダルカラ「福島三部作」 は人生の財産となるような、印象的な出会いでした。
ABCホール「春の文化祭」は2日間・30劇団全て観ました。人生最大密度観劇になったでしょう…
なかなか先の予定が立たず友達を誘いづらいけど、一度だけ初めて演劇を観る人と一緒に行くことができて、数日後にも「まだ余韻が消えません!また誘ってください」と連絡してもらえたのが嬉しかった。デビュー成功の手ごたえ。(観たのは『キネマと恋人』。ウェルメイド!)
2018からハマってきた登山も本格化して、富士山に登ったり、涸沢カールをテント背負って通りすぎたりしました(台風接近前で泊まれず…)
お仕事は後輩育成に悩んだり、大阪プロジェクトに思うように関われずモヤモヤしたり。一進一退、自分なりにもがいた一年でした。
2020もマイウェイ、マイペースを貫くのみ!
観劇はもうちょい減るかな。。。
【観てきた一覧】
[38] 高校演劇サミット2019「徳島市立高校『あゆみ(3人ver.)』「東京都立日野台高校『#神』」@こまばアゴラ劇場
[37] 「『刀剣乱舞』維伝 朧の志士たち」@TBS赤坂ACTシアター
[35] シアターコクーン・オンレパートリー2019+大人計画「キレイ-神様と待ち合わせした女-」@Bunkamura・シアターコクーン
[34] “大阪府障がい者舞台芸術オープンカレッジ2019”演劇公演 「独創*かちかち山」@ビッグ・アイ(国際障害者交流センター)
[33] SLOW LABEL「OPEN CREATION」@渋谷ストリームホール
[32] ロ字ック「掬う」@シアタートラム
[30] 下鴨車窓「微熱ガーデン」@ウイングフィールド
[29] シャウビューネ「暴力の歴史」@東京芸術劇場・プレイハウス
[28] NODA・MAP「Q:A Night At The Kabuki」@東京芸術劇場・プレイハウス
[27]「怪人と探偵」@KAAT神奈川芸術劇場・ホール
[26] ピスタチオ×竜史「No.2」@神保町花月
[25] DULL-COLORED POP「福島3部作・第三部『2011年:語られたがる言葉たち』」@東京芸術劇場・シアターイースト
[23] DULL-COLORED POP「福島3部作・第二部『1986年:メビウスの輪』」@東京芸術劇場・シアターイースト
[22] 燐光群「熱海殺人事件 VS. 売春捜査官」@ザ・スズナリ
[21] イデビアン・クルー「幻想振動」@東京芸術劇場・シアターイースト
[20] 文学座「ガラスの動物園」@東京芸術劇場・シアターウエスト
[19] 「エダニク」@浅草九劇
[18] 世田谷パブリックシアター+KERA・MAP「キネマと恋人」@世田谷パブリックシアター
[17] 六月大歌舞伎「月光露針路日本」@歌舞伎座
[16] 劇団四季「キャッツ」@キャッツ・シアター
[15] 悪い芝居「野生の恋」@東京芸術劇場・シアターウエスト
[14] イキウメ「獣の柱」@シアタートラム
[13] オフシアター歌舞伎「女殺油地獄」@天王洲アイル・寺田倉庫G1-5F
[11] 劇団子供鉅人「SF家族」@rusu(一軒家ギャラリー)
[10] 「hymns」@博品館劇場
[9] オフィス上の空<1つの部屋のいくつかの生活>参加作品・シンクロ少女「メグ The Monster」& mizhen「小町花伝」@吉祥寺シアター
[8] M&Oplaysプロデュース「クラッシャー女中」@本多劇場
[7] OIBOKKESHI「ポータブルトイレットシアター」@アーツ千代田3331・2F体育館
[6] 神奈川かもめ「短編演劇」フェスティバル2019 フェスティバル本選@KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ
[5] PARCO「世界は一人」@東京芸術劇場・プレイハウス
[4] mizhen裏参道フェス「おわりと、」@ビラ青山
[3] 江本純子の行動作品「渇望」@北千住BUoY
NODA・MAP「Q:A Night At The Kabuki」/死に様を観る
才能のフルコース。贅沢すぎてお腹いっぱい。悲劇的なハッピーエンド。。
と思ったら、物語の死に様がロマンチックを大破して、われわれをエンタメの客席に安住させてはくれないんだ。
上川隆也の放つ何か、戦場の空気のようなものが強すぎて、見てるだけで私も巻き込まれて死ぬんじゃないかって目を離すことができなかった…。
前から3列めでは、圧が強すぎた…。
NODA·MAPはいつもとりあえず2枚買っておいて「なんか演劇見てみたいけどオススメない?」って思い始めた人を直前で誘ってきたのだけど、今回は先行予約時点で同伴者のフルネームも必要、当日本人確認あり、そして12000円ということで、なかなか数カ月前にそれで声かけられる初心者はいないよね、、と断念したのでした。
転売抑止にはもちろんつながったのでしょうが…
個人的には年一度の、誰かのNODA·MAPデビューというか「華々しい演劇デビュー」を提供する機会を失ってしまってもったいなかったなと。
(他にもオススメしたい作品は常にありますけどね…)
DULL-COLORED POP「福島三部作・一挙上演」/情熱を浴びるために
『第二部 1986年:メビウスの輪』観ました。
昨年『第一部 1961年:夜に昇る太陽』は観まして、福島の三兄弟が出てきますが、
第一部は長男、第二部は次男、第三部は三男にフォーカスし異なる時代を描いた連作。(企画がおもしろい。)
今回は第二部しか行けなさそうと思っていたのですが、観てみて…やはり第三部も行こうと。
ひとつひとつが完結し濃厚に仕上がっていると思いますが、
この作家(谷賢一さん)が調べて考えて出し切ったもの全部キャッチしてみたいという気になりました。
私がアートを観るのは…
テーマそのものに興味がある場合にとどまらず、
「このテーマに賭ける作者の情熱を浴びたい」
というモチベーションも大いにありえます。
福島原発のことを考え抜いた人が、どういう演劇をつくったのか、それが観たい、全部観たい。
ここで描かれていることは綿密な取材にもとづくと言えどフィクションであり、
その日・その場所にいたわけではない役者が泣いたり笑ったりすることにより、
決して、史実を報道したいわけではない。
「表現」から伝わるのは、もっと、よくわからんものです。
情熱とか、あるいは執念とか。
疑問とか、祈りとか。
「それ」をほっとけない何か。描かずにいられない、語らずにいられない、何か。
それを浴びることが、鑑賞ってことだと思うんです。
観て正否良悪決めなきゃいけないもんでもなし、何も感想がなくてもいいと思う。
ただ、浴びる前の自分とは何かが変わってしまうし、なんとなく近づけない人もいるよね。
と、後半はあいちの件にも思いを馳せて書きましたが、来週の第三部楽しみにしてます!
燐光群「熱海殺人事件 vs. 売春捜査官」/つかこうへいであり、燐光群である
やーこんなことになるとは思わなかった。
つかこうへいであり、燐光群だった。
これは全然、演劇初めて見る人じゃなくて、演劇つくる側の人向けの作品。
自分だったら、つかをどうやるか?ってウズウズさせられるものだと思う。
ざっくりネタバレしますと。
「熱海」の木村伝兵衛と「売春」の木村伝兵衛が交互に出てくる(熊田と大山金太郎は一人)までは予想がつくというかソノママなのですが
第三の木村伝兵衛が出てきて、これは熱海でなく沖縄、辺野古殺人事件なのだということになる。
ここからは原作「熱海」「売春」のセリフやシチュエーションは借りつつも、しっかり現代今日の話に塗り替わっていく。
いわばオマージュとかパロディ、スピンオフや新シリーズというのでもなく、
「熱海殺人事件の『更新』」。こんな「古典のいじり方」があったとは度肝抜かれた。
しかし「売春捜査官」大好きなので、オリジナルも恋しくなった…。
つかはつかだから最高なのだけど、いろんなつかが味わえるというならそれもまた美味しくいただきたいところ。
若手の演出家がこの公演を観て、自分のつか料理を編み出して後に続いてくれたらいいなあ…。全部観るのに。