1st Ticket

Not for theatergoers

【舞台の見方】#2 「舞台」にはどんなものがあるか(ジャンル)

舞台を見てみよう、と思ったとする。
それは、例えばどんな作品でしょうか?

 

初めて見る舞台が劇団四季だった人もいれば、
友達が出ている100席未満の小劇場演劇だった人もいるだろう。
舞台はあまりにも種類が多く、一言で括るには混沌としている。

 

「舞台」「芝居」「演劇」…混ぜて使いがちだが、
一番広義なのが「舞台(≒舞台芸術)」だとして。
以下のものは、すべて含まれうると考える。

 

●演劇(ストレートプレイ)
●ミュージカル
●ダンス
●オペラ
伝統芸能(歌舞伎、能、狂言、落語…)
●お笑い

●ほかパフォーマンス(朗読・リーディング、人形劇、ジャグリングやアクロバット…) 

 

この中でも特に多種多様なのが「演劇」「ミュージカル」「ダンス」で
しかもそれぞれの出演者やスタッフは横断して創作することもしばしばで、
「台詞」「歌」「ダンス」の混ぜ具合、割合すらマチマチ、
ダンスシーンを挟む演劇もあれば、しゃべるダンスもある。
「音楽劇」と名乗っている作品でも、歌のシーンはごくわずかということもある。
ジャンル横断が進む昨今、ますます明確な定義はなく、追求する意味もあまりない。

 

例えばミュージカル劇団として有名なのは「宝塚歌劇団」「劇団四季
さらに「レ・ミゼラブル」など長寿作品をプロデュースする東宝がある。
しかし小劇場で活躍する劇団「FUKAI PRODUCE」が標榜するのは「妙ージカル」、
劇団「ままごと」の代表作「わが星」は4拍子のリズムが核であり演技と音楽が融合している。

ラーメンズ小林賢太郎の作品はコントであり短編演劇とも見える。
歌舞伎役者と演劇の俳優が共演し、演劇の演出家がつくる「コクーン歌舞伎」「いのうえ歌舞伎」、さらに「2.5次元歌舞伎」も出てきたから、もう既存の枠組みはどんどん更新されていくのだ。


さながら「イタリアン×中華」すらありうる料理のよう。
「創作和食」と名乗る料理のバラエティをイメージしてもらえば、
「演劇」と名乗る作品の多種多様さがそれに近いだろう。