1st Ticket

Not for theatergoers

直島・豊島・犬島の旅 /理解できずとも知覚している

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ちょっと前、直島・豊島・犬島に行った。
仕事(演劇)関係ない旅が久しぶりで、とても身体がスッキリした。
直島と犬島は2回目だったけど、前回はどちらも9月で人が多めだったのに比べて、
オフシーズンで寒くて曇っていた今回は、本当にさびしくて、“何も無さ”が際立っていた。
アートと自然しかない。見渡す限り、空と山と海。
私たちが黙れば、無音。かと思えば、何かの鳴き声、波の音、靴と砂のすれる音。
見て感じる、の繰り返しで、どんどん色・線・光・空間への意識が鋭くなって、自分の知覚が不思議でしかたなかった。
水は空の下だと水色だけど、森の中だと緑色になるとか。
雲のはしっこがもやっと切れてガタガタしてるのに輪郭が見える感じは、山の稜線が木で出来ていてもやもやしてるのにくっきり見える感じと似てるとか。
海の波はなだらかな曲線の重なりで表現されることが多いけど、本当は小さい三角形のトゲトゲが集合しているんだとか。
カンペキでデカイ放物線と放射線を見ると、どうして美しいと感じるのかとか。
なぜ木がざわざわするのを聴くだけで、目に見えない風の強さや 触ってもいない葉の軽さを知った気になれるんだとか。
アートの見方とか、生き物植物の知識がなくても、私の目は見えていて、見たなりに何かを得る、ということが凄い。
アートや演劇、興味があるとどんどん知識が流れ込んでくるので、
情報を重ねるのでなく、印象を解体するような、言葉の削ぎ方を磨くべきだ…と思ってる。