1st Ticket

Not for theatergoers

​DULL-COLORED POP「福島三部作・一挙上演」/情熱を浴びるために​​


『第二部 1986年:メビウスの輪』観ました。

http://www.dcpop.org/vol20/

 

昨年『第一部 1961年:夜に昇る太陽』は観まして、福島の三兄弟が出てきますが、
第一部は長男、第二部は次男、第三部は三男にフォーカスし異なる時代を描いた連作。(企画がおもしろい。)

 

今回は第二部しか行けなさそうと思っていたのですが、観てみて…やはり第三部も行こうと。


ひとつひとつが完結し濃厚に仕上がっていると思いますが、
この作家(谷賢一さん)が調べて考えて出し切ったもの全部キャッチしてみたいという気になりました。

 

私がアートを観るのは…
テーマそのものに興味がある場合にとどまらず、
「このテーマに賭ける作者の情熱を浴びたい」
というモチベーションも大いにありえます。

 

福島原発のことを考え抜いた人が、どういう演劇をつくったのか、それが観たい、全部観たい。

 

ここで描かれていることは綿密な取材にもとづくと言えどフィクションであり、
その日・その場所にいたわけではない役者が泣いたり笑ったりすることにより、
決して、史実を報道したいわけではない。

 

「表現」から伝わるのは、もっと、よくわからんものです。
情熱とか、あるいは執念とか。
疑問とか、祈りとか。
「それ」をほっとけない何か。描かずにいられない、語らずにいられない、何か。

 

それを浴びることが、鑑賞ってことだと思うんです。
観て正否良悪決めなきゃいけないもんでもなし、何も感想がなくてもいいと思う。
ただ、浴びる前の自分とは何かが変わってしまうし、なんとなく近づけない人もいるよね。

 

と、後半はあいちの件にも思いを馳せて書きましたが、来週の第三部楽しみにしてます!