燐光群「熱海殺人事件 vs. 売春捜査官」/つかこうへいであり、燐光群である
やーこんなことになるとは思わなかった。
つかこうへいであり、燐光群だった。
これは全然、演劇初めて見る人じゃなくて、演劇つくる側の人向けの作品。
自分だったら、つかをどうやるか?ってウズウズさせられるものだと思う。
ざっくりネタバレしますと。
「熱海」の木村伝兵衛と「売春」の木村伝兵衛が交互に出てくる(熊田と大山金太郎は一人)までは予想がつくというかソノママなのですが
第三の木村伝兵衛が出てきて、これは熱海でなく沖縄、辺野古殺人事件なのだということになる。
ここからは原作「熱海」「売春」のセリフやシチュエーションは借りつつも、しっかり現代今日の話に塗り替わっていく。
いわばオマージュとかパロディ、スピンオフや新シリーズというのでもなく、
「熱海殺人事件の『更新』」。こんな「古典のいじり方」があったとは度肝抜かれた。
しかし「売春捜査官」大好きなので、オリジナルも恋しくなった…。
つかはつかだから最高なのだけど、いろんなつかが味わえるというならそれもまた美味しくいただきたいところ。
若手の演出家がこの公演を観て、自分のつか料理を編み出して後に続いてくれたらいいなあ…。全部観るのに。