岩井秀人×快快「再生」/死んだあと生まれる直前の30分
「再生」は、同じ30分のシーンを、3回繰り返す演劇だ。
(公式サイトで作者・多田淳之介さんも明言してるから言っちゃう)
初演は東京デスロック2006年、
私は再演の2011年ver「再/生」を横浜のSTスポットで観た。
せりふはほぼなく、
ひたすら大音量のJPOP、の中で踊りまくる若い男女。
※メインテーマはこちらですw
超テンションあがってる!
が、6曲目くらいから、急にばったりと一人ずつ倒れていく。
そしてみんな死ぬ。
と思ったら起き上がり、
何か薬のようなものを順番に飲んで、
また最初の曲から、「2回目」が始まる。
「2回目」も「1回目」と同じ曲を、会話を繰り返す。
また30分。
「3回目」も同じことを繰り返す。
3回同じシーンが続くことは、私は知っていた。
でも、それが怖い。
同じことが続くのでも虚しいし、
何か違うことが起きるんじゃないかってのも怖くて、
ずっとガタガタ観てる。
そして、同じことしか起きない。起きなかった。
しかし、3回目のあとは、誰も起きない。
そんな東京デスロックverは、
集団自殺をにおわせる「死ぬ直前の、最低かつ最高の30分間」って感じ。
だったけど、
快快verは、
これはもう、完全に死んでいる。もしくは生まれていない。
お化け。お化けが歓喜してる。5月のハロウィン。
「死んだあと生まれる直前の、たぶん? 超最高? な30分間」て感じ!
「再/生」のアフタートークでマームとジプシー藤田貴大さんが、
「時間の流れは一直線・一方通行と思っているけど、人の記憶や感覚ではそうではない。流れ去っていく時間に抵抗するために、繰り返す。繰り返さずにいられない」というようなことを言っていた。
それが“よりにもよって”死ぬ直前の30分間。
もしくは、“せっかくだから”生まれる直前の30分間。
そういう、時間への執着・愛着感が違ってた。
快快は派手でポップで明るくて、眠るように穏やかにみんな倒れていった。
終わらなきゃいけないよーな、
終わってほしくないよーな。
夢を、再生しているような。
だから劇中歌で「おやすみ」と歌われると切なくってたまらない。
私たちは、たぶん
もっと眠っていたいし、まだ眠りたくない・・・