1st Ticket

Not for theatergoers

庭劇団ペニノ「蛸入道 忘却ノ儀」/超常、原始、忘我の悦び

 

あ~失敗した!誰か連れてくるべきだった!
わけわかんないまま観て「わけわかんなかったけど凄かった」って言わせられる貴重な作品。

 

儀式はフェス。舞台美術が劇場で、お堂と役者がまるごとでっかい楽器でその中に自分がいる。
開演前タニノさんの「人間が進化して、くっついて、脳が9つある蛸になる」って話が全てで、わけわかんないんだけどまさにそれで、なんか90分かけて自分も1000分の1くらい蛸にされてしまった気がする。蛸なのかも、蛸なんじゃないかすでに。

 

前作の「地獄谷温泉 無明ノ宿」では舞台がぐるっとまわったら露天風呂になってて度肝を抜かれた。
しかしまた、演劇でつくれる時空の常識を拡大してる…。どんな過程でつくったのか?知りたいけど恐ろしいな。

 

「温泉」と共通して感じるのは、
「見てはいけないもの・語ってはいけないもの」を360度からどうぞご覧くださいと差し出されているような。抗えない恐いもの見たさ。
殺人や濡れ場のようにドラマでいじる隙間もない。
ヒトの原始的な性というか。だからエロじゃない。裸に剥いてるんじゃなくて、薄皮いちまい剥いじゃってる。さりげなく生々しく超常。
夢に見ちゃうやつ…。

次は観劇初心者と来てみよう、ペニノ。